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東大と京大の差について:カニとカニカマ

まえがき

 自分自身が通っていると忘れてしまいがちだけれど、世間で言うと「京大生」とかといった存在は、ある種レア物で、めったに出くわさないタイプの人間のうちに入っている。おれはこれまでの人生で、18年間は京大の外側、つまり世間側から京大を見つめていたけれど、受験を経、いわゆるレア物側の視座、京大生側の見方を持つようになったと思っている。

 つまり、東大と京大の差について、世間一般よりいくぶん詳しくもなっているということで。このブログでこういうことを書くことになるとは思ってなかったけれど、なんとなく食いつきが良さそうなので"撒き餌"として書いておこうという気になった。両大学で迷っていたり、両大学の差に関心がある人は、是非ご一読をおすすめする。

差について

 前置きが長くなった。東大と京大の差をおれの乏しい語彙で可及的わかりやすく言い表してみる。

 東大と京大は、カニカニカマくらい違う
 東大と京大は、ヘッドホンとイヤホンくらい違う

 わかりやすく、といったけれど、両者の差を一言で表す言葉はないようにも思える。大学の格、みたいなものを定量化できるとして、両者は質的には異なれば、量的にも異なるように思う。

 東京一極集中、が、叫ばれるようになって久しい。ようは、そういうことなのだ。世間的には、東大生とか、京大生が同じように遠い存在に思えるかもしれないけれど、われわれ京大生からすると、東大生というのは、世間一般から見たわれわれと同じように、遠い存在なのである。

具体的な差:入試難易度

 日本の受験制度には、偏差値という幻想がはびこっている。この幻想の有用性はさておき、世間では大学の難易度を示す強力な指標としての地位をほしいままにしていることは、揺るがない事実である。偏差値批判の記事になってしまうわけにはいかないので、この記事でも偏差値を扱っておく。

東大        京大

【文系】

文科一類 67.5   法学部  67.5
文科二類 67.5   経済学部 67.5
文科三類 67.5   文学部  67.5

【理系】

理科一類 67.5   理学部 65
          工学部 62.5 - 67.5
理科二類 67.5   農学部 62.5 - 65
理科三類 72.5   医学科 72.5

(データは河合塾2022の偏差値表によった)

 こうしてみてみると、大差がないように思える。実際には大差があるのに。東大の最大の特徴は、東大であることだ。言わずもがな、日本で最強。天才の殆どは、ここに集う。一部の変わり者たちが、東大にあぶれ、京大やら東工大に転がり込む。最高レベル、と、最高とでは訳が違う。

具体的な差:入ってから

 読んでくれている人たちは、多少なりとも東大とか京大に興味があるから読んでくれているのであろうし、こんなことを今更言うまでもないかもしれないが。

 東大には、「進学振り分け」がある。

 進学振り分け――下手をすれば小学校低学年から競争に次ぐ競争を勝ち抜いてきた最強エリートたちを、合格の余韻に浸る暇さえ与えず、さらなる競争へと投入する、常軌を逸した制度。

 希望の学部に進学するためには、進振りで勝つ必要がある。当然、大学に入ってからも勉強が必要となるのだ。

 一方、我が京都大学はどうだろう。一年の前期、おれはこれでもかというほど手を抜いた。それでも単位は20/30も貰うことができた。落とした単位だって、テストを受けなかったりして落としたのであって、本気でやれば取れたかもしれない。これで一回生が一番大変との話しなのだから、ほんとうに楽なのである。

 一般に――京大のほうが東大よりずっと単位が取りやすい。勉強をせずとも卒業できるのに、わざわざ勉強するような輩は、京大生の中でも稀有な存在だ(そんなやつは東大に行けばよろしい)。

具体的な差:卒業後の進路

 平均的な学生について言えば――ここまで京大を貶め、東大を礼賛してきたおれが言うのもなんだけれど――両大学に大差はないように思う。

 外コン、外銀、五大商社――皆が羨む勤め先を得て大学をあとにする者は多い。

 ただし、これは勿論、就活に参加した者についてのみ、言えることだ。

 なぜか、うちの大学には就活をしない勢力がいる。かといって、院進もしない。

 ――そう。行方不明である。

 大学卒業後、行方不明。嘆かわしい事態だ。諸君らのせいで我が大学に良からぬ印象がつくのだ。

 と、言いたいところだが、おれは京大のこういうところも好きだ。なんというか、行方不明になることさえ、就活をしないことさえ、「いちびり」、「ボケ」として許容するような雰囲気がある。真面目に働くことを小バカにしている斜に構えたなんちゃってインテリ。かわいらしいではないか。

 さて、差、から話がズレすぎた。

 勿論、東大にも行方不明者はいるのだろうが、その割合の多さは京大が圧倒しているだろう。各界で実績を残すのは当然、東大である。

まとめ

 これを読んでいる人がどういった人かは知るすべがないが、もし高校生がいたなら、どちらの大学により惹かれるだろうか。

 おれは、ぜひ京大に惹かれた諸君と懇意になりたいと思う。このいちびり精神がわかる人間はこぞって面白い。

 一方、東大に惹かれた諸君におれから言えることは、勉強を頑張れということだけだ。東大には漢文も、リスニングも、文系であれば2科目目の社会も必要だ。労力が桁違いに大きい。京大なら、比較的楽に入れるが。

 ――結論、おれは京大が好きだということだ。

 惚気話を聞かせてしまい、申し訳なかった。また、なにかの機会に。